いよいよ本日に迫った、'05年日本シリーズ。
2年ぶりリーグ優勝のタイガースが20年ぶりの日本一に輝くか。
それとも31年ぶりのリーグ優勝を決めたマリーンズがその年以来の日本一の栄冠を手にするか。
互いに似たタイプのチームということで、白熱した展開が予想されるが果たしてどのような結果が待っているのだろうか。
なお、いつもお世話になっているにわか日ハムファンのブログさんにて『第2回にわか杯日本シリーズ予想大会!』を開催されておられるので、両チームの分析結果をふまえて今シリーズの予想もさせていただくことにする。
さぁ、いったいどちらが日本一の栄誉に輝くのか?
(そりゃ当ブログ的にはトラに勝ってほしいけど・・・)
とりあえず、両軍が今季レギュラーシーズンでおさめた成績を表にしてみた。
ご覧のとおり、ほとんどの面においてマリーンズがやや優勢と言わざるを得ない。
ただ優勢といっても、決定的な差があるわけではなく、流れひとつでどうにでもなりそうな感じはある。
勝敗を見ればどちらも優勝チームにふさわしい星勘定ではあるが、マリーンズはこの成績でもリーグ2位。
1位・ホークスは89勝49敗2分、3位・ライオンズが67勝69敗なので、いかに勝率1位・2位チームが他チームを引き離していたかがわかる。
タイガースはペナントレース終盤までドラゴンズと激しい優勝争いを繰り広げ、ゲーム差0.5のせめぎ合いを通じて、最後にドラゴンズを振り切った。
最終的には10差でもって日程を終えたが、パ・リーグとはまた違う厳しいレギュラーシーズンを送ってきたというのは、トラ党ならずともご存知のことだと思う。
つづいて攻撃面。
タイガースは総得点がリーグ1位ながら、打率と本塁打はそれぞれリーグ3位と4位。
驚異的な勝負強さで打点王に輝いた今岡、そして4番・金本の二人で総得点の4割近くに及ぶ272打点を挙げているように、繋ぎの中でいかにこの主軸二人で走者を還せるかが勝負のポイントとなる。
マリーンズは総得点と打率でリーグ1位。
松中、ズレータといった大砲二門を揃えたホークス攻撃陣の派手さには劣るものの、打線全体で繋いで得点を獲る能力にかけてはマリーンズが一枚上。
本塁打数はリーグ4位でありながらホークスより82点多く得点を稼いでいることからもわかる。
その攻撃の中で両軍ともカギとなるのが機動力だが、それぞれ盗塁王を抱えていながら盗塁数には大きな開きがある。
タイガースは60盗塁の赤星一人で稼いだものだが、マリーンズは41盗塁の西岡を筆頭に小坂がリーグ3位の26盗塁と、今季先頭打者におさまっていた二人が引っ張りながらチーム全体で機動力を生かしてくる感じか。
奇しくも、マリーンズとドラゴンズはチーム盗塁数が同じ。
脚に気を遣いながら、しぶとく繋いでくる打線とも対峙せねばならないトラ投手陣にとっては、ドラゴンズよりも厄介な相手になるのは間違いない。
また、バントを多用しない両監督ではあるが、マリーンズは特にそれが際立っている。
投手が打席に立たないパ・リーグというのを考慮しても、一試合平均の四死球、三振もマリーンズのほうが少なく、とにかく打って繋いでいくことで得点を獲る方針であるのがわかる。
交流戦でセ・リーグのホーム球場での勝率が非常に高かったが、そこでも投手の打順で打たせるケースが多く、実際にマリーンズ投手陣の打率も良いのはこれまたタイガースにとって厄介だ。
投手陣を含めた守りだが、さすがに両軍ともリーグ1位のチーム防御率を誇る。
それほど防御率に差はないが、完投数が格段に違うのが目に付く。
指名打者制の有無によるところもあるが、早めに中継ぎ・抑え投手に繋いでくるタイガースと、先発にできるだけ長く留まらせるマリーンズとの差が顕著だ。
しかも、両軍とも後ろに強力なリリーフ三人衆が控えており、どちらが先に彼らを出す展開に持ち込めるかも勝負の分かれ目になる。
奪三振の差は力で捻じ伏せるタイプの投手がタイガースに多く、打たせてとるタイプが多いのがマリーンズ、といった図式か。
失策数の少なさを見てわかるように、守備力は圧倒的にマリーンズが上。
風の強い千葉マリンスタジアムを本拠地にしてこの安定した守りは、投手にとっていかに心強いか。
与四死球の少なさからも、マリーンズ投手陣がバックを全面的に信頼している表れだ。
こういうチームは本当に強い。
・
次に、交流戦で6戦行われたタイガースとマリーンズのチーム成績を表にしてみた。
投手有利と言われた交流戦だったが、実際その傾向どおり互いのチーム打率は低調。
(タイガースが.228、マリーンズが.236)
投手力がそもそも良いモン同士だけに、こうなるのは当たり前と言えば当たり前。
むしろ注目すべきは盗塁数。
タイガースが6試合で赤星の1つだけに抑えられ、なかなか自分たちの攻撃パターンに持ち込ませてくれなかった。
とにかく、マリーンズ投手陣はセットポジションからのクイック投法が非常に上手い。
赤星の出塁自体少なかったのもあるにせよ、仮に塁に出しても脚を何とかして封じる工夫が対戦成績でマリーンズが優位に立った要因だろう。
トラとしては、日本シリーズではとにかく赤星が出塁して、相手の警戒網をかいくぐって走ることが、試合を優勢に進める大きな条件となる。
失策数もやはりと言うか、タイガースが多い。
興味深いのは、両軍とも負け試合に必ず失策を犯しているというところ。
投手陣含めて守りでのせめぎ合いの中、それが乱れてしまうと相手に流れを渡してしまうということだ。
そしてこちらが打撃個人成績。
(クリックすると大きい画像で表示されます)


(左が対戦打撃成績、右が今季レギュラーシーズン成績)
タイガースの得点源はやはり4番・5番、マリーンズはフランコか。
やはり両軍とも上位打線に得点が多く記録されている。
切り込み隊長の西岡はもちろん、1番に入ることのある小坂の脚の状態が万全なら当然要警戒だし、特に2番・堀に打たれている点も見逃せない。
とにかく上位打線に仕事をさせないことが、タイガース勝利の近道となる。
タイガース打線は打率.222、8三振のシーツで途切れるケースが多かったようだ。
低めに丁寧に集めるマリーンズ投手陣はシーツにとって苦手なタイプなので、対戦打率が4割近い金本と勝負強い今岡に回すためには、トラも2番・鳥谷がしっかり繋いでいくことが重要だ。
攻撃面では、2番打者の働きがシリーズの流れを左右することになるだろう。
最後に個人投手成績。
井川の今季唯一の完封が対マリーンズなんだから、野球はわからない。
それも無四球でだ。
先発投手はとにかくムダな走者を出さずに、失点をできるだけ少なく、いい形で後ろのJ.F.Kに繋げること。
特に久保田は甲子園でマリーンズ打線を完璧に封じており、それがいい自信になってくれるとありがたい。
対するマリーンズも先発陣の安定感はタイガースを凌ぐ。
それも総じて長いイニングを投げている。
なんせ15勝の渡辺俊を筆頭に二ケタ勝利投手が6人の強力布陣はスゴイの一言。
その中でも小野と久保が中継ぎに回るようだと、トラ打線も容易に崩せなくなりそうだ。
抑えの三本柱(Y.F.Kと呼ばれてるとか?)もタイガース同様強力だが、最も手を焼いたのが薮田。
打者20人に対して被安打1、9奪三振と完璧に牛耳られた。
手元で伸びる真っ直ぐと鋭いフォークに苦しめられたが、僅差のせめぎ合いが多くなりそうな感じだけに当然、登板数も多くなるだろう。
シーズン終盤からプレーオフで少し不安を露呈しつつある小林雅だが、トラ打線も打てておらず、出来れば出てきてほしくない。
しかし、両軍のリリーフ3人衆の防御率を比較すると、断然タイガースが上回っているので、やはり先にマリーンズ先発陣を攻略することが勝利への近道となる。
今回のシリーズではバレンタイン監督の口車に乗せられて予告先発が実施されるとのことで、本日の初戦はマリーンズが清水直、タイガースが井川と本格派エース対決ということになっている。
両投手ともレギュラーシーズンでは思ったような成績を残せてないが、この大舞台でどちらが真の実力を発揮するだろうか。
一昨年の経験を生かして井川に何とか頑張ってほしいところだが、清水直も交流戦でトラ打線に打ち込まれ、リベンジに燃えているはず。
どういう展開となるのか、管理人も緊張感が増してきたぞ。
・
さて、冒頭で述べたように『日本シリーズ予想大会』の予想をこれからしてみる。
各試合の勝敗、そしてMVP選手を予想していくのでかなり難しい・・・。
第1戦 マリーンズ
第2戦 タイガース
第3戦 タイガース
第4戦 マリーンズ
第5戦 タイガース
第6戦 タイガース
以上、4勝2敗でタイガースが日本一と予想させていただく。
そしてシリーズMVPは金本。
エッ、初戦井川で落とすの?
いや、これは想定内。
ちゃんと5戦目では井川が立ち直り、下柳が2戦とも結果を出してくれよう。
MVPはかなり迷ったが、ここは交流戦での相性を素直に信じることにする。
もはや、予想というより願望だが、結果はどうあれこの2チームによる素晴らしい日本シリーズになることを願って、開幕の日を迎えることにする。
Recent Comments