'04年 阪神タイガース10大ニュース(後編)
さぁ、前編に続きいよいよベスト5の発表!
それではいってみよ!
★☆第5位☆★ アテネ五輪、藤本・安藤・ウィリアムスが出場
8月に行われたアテネ五輪。
12球団から各2名ずつ選ばれた精鋭が「史上最強(長嶋)JAPAN」として集結、至上命題である‘金メダル’獲りを目指した・・・のだが。
予選リーグを1位で通過したものの、決勝トーナメント準決勝で予選リーグで唯一苦杯をなめた豪州にまさかの完封負け。
タテジマ戦士でもある豪州の守護神・ウィリアムスの気迫の投球に日本打線は手も足も出ず。
・・・というより、タイガースにいるときと全く別人だったではないか。
結局3位決定戦でカナダを下してメダルを死守したものの、金を獲れなかったという事実は日本球界に重くのしかかることとなった。
その日本代表チームにタイガースからは藤本と安藤が出場。
藤本はレギュラーシーズンと違って二塁のポジションに就いたが、遊撃・宮本(ヤクルト)とのコンビも無難にこなすなど、さほど違和感なくプレーしていた。
また打撃でもキューバ戦で一発を放つなど3割を超える打率で、「恐怖の9番」として存在感を見せつけた。
一方、安藤は予選リーグの豪州戦のみの登板。
終盤のリリーフ登板だったが、元中日・ディンゴに一発を喰らうなど1回3失点、一気に信頼を落とす格好となった。
レギュラーシーズン同様、ここ一番で痛打される傾向がまともに出てしまった感じだ。
結果としてタイガースから送り出した3選手がそろってメダル獲得と、トラ党にとってはとりあえず満足の内容だった。
来年のレギュラーシーズンでは五輪の再現を頼んだぜ、ジェフよ。
★☆第4位☆★ アニキ金本、初タイトル打点王獲得
プロ入り13年目での初タイトル・・・金本がタイガースではバース以来の打点王に輝いた。
1番打者が盗塁王で、4番が打点王。
くどいようだが、打線が上手く機能していれば・・・という思いは隠せない。
しかも、金本はチームでも3冠王と今年やや低調に終わった打撃陣の中で一人気を吐き、タイガースの4番という重責に見事に応えてくれた。
さらに、広い甲子園では不利とされる左打者ながら34本塁打とパワー健在ぶりを見せ付けた。
FAで移籍して来年で3年目だが、圧倒的な存在感ですでにチームの顔となっている。
若い選手も、こういう活きた教材が同じチームにいることをもっと幸せに感じなければならない。
「来年は40発越えが目標」と豪語する36歳のトラの大砲は、さらに進化を遂げるべく強靭な肉体にさらに磨きをかける。
★☆第3位☆★ さらば神様・・・八木、18年の現役生活に幕
ありがとう、そしてお疲れさま・・・タイガースの神様・八木裕が今年静かにバットを置いた。
三菱自動車水島から'87年入団。
3年目に16本塁打で頭角を現すと、'90年の4年目からレギュラーに定着し、この年自己最高となる28本塁打をマーク。
以後3年連続で20発以上を記録するが、故障もあって次第に出場試合数、本塁打数も減り、とうとう'96年には一度も一軍出場を果たすことなく、トレード用員として扱われてしまうことに。
しかし第3時吉田政権となる翌'97年に、代打の切り札として脅威の代打成功率.405を残し大復活。
以後は「代打の神様」として一時代を築き、その勝負強さはスタメン出場のときでも色褪せることなく、人は彼を自然と「神様」と崇めるようになった。
一振りにかける集中力で相手をすくみ上がらせ、好機でしっかり期待に応える姿にファンは酔いしれた。
通算成績は817安打 打率.247 126本塁打 479打点。
確かに記録的には特筆すべきものはないかもしれない。
しかし神様の記憶は、我々ファンに強烈にいつまでも残り続ける。
「八木はすごい選手だったんだよ」と、後世まで語り継ぐべき選手の一人であることに異論ない。
あらためて言おう、神様、感動をありがとう!
★☆第2位☆★ 球界激震!プロ野球、初のスト決行
プロ野球70周年を迎える'04年はまさに激動の年となった。
近鉄とオリックスの合併に端を発した球界再編問題は、12球団維持を要求するプロ野球選手会側とそれをなかなか受け付けようとしない経営者側とで意見が対立。
双方が折合わぬまま、ついに9月18日と19日の2試合で選手会がストを敢行する最悪の事態を招いた。
我がタイガースも神宮でのスワローズ戦2試合がストのために中止になり、チーム内にも「外出禁止令」が出るなど緊張感が漂った。
今年からタイガース選手会長に就任した今岡にとっても、この1年は苦労が絶えなかったことだろう。
初めて選手会長の座に就いた年にこれほど球界が揺れ動くとは、想像だにしなかったはず。
タイガースという人気球団に属している限り、チームの身売りや合併といった話には一切無縁であるといっても過言ではない。
しかし、先日今岡は「他球団の問題ではない。同じ野球人として、タイガース選手会長としてちゃんと受け止めていかねばならない」という旨の発言を、地元のTV番組の中で話していた。
チームリーダーの立場から見て、一連の問題を看過できない気持ちが強くなったのだろう。
こういうことを言ってくれるのは、ファンとしてとても嬉しいしありがたい。
選手として、また人間としてさらに成長した今岡から来年も目が離せない。
★☆第1位☆★ 鉄人金本、連続試合フルイニング出場日本新記録
'04年のタテジマ戦士の中で、全試合に出場したのは矢野、赤星、今岡、そして金本。
1年間全試合に出るためには故障しないばかりか、しかも安定した成績を残して首脳陣からの厚い信頼を得る必要がある。
肉体的、精神的に相当強くないと「全試合」に出ることなど到底ままならない。
その中で金本は全試合で‘全イニング’出場というとてつもない記録を記録している。
それも1年だけじゃない、広島時代の'99年7月21日から足掛け6年かけて出続けているのだ。
そしてとうとう8月1日、連続試合フルイニング出場を「701試合」とし、元タイガースの三宅秀史の持つ記録を更新した。
プレーボールからゲームセットまで、常にグラウンドに立ち続ける。
途中出場や途中交代などもちろん許されない。
恐ろしいまでの野球に対する執念である。
「一人でもそういう選手がいると使う監督が楽」と金本はさらっと言ってのける。
新記録まで目前のところの中日戦で岩瀬から死球を受け、バットをしっかり握れない状態でも当然のようにスタメンに名を連ね、右手一本でヒットを打つ姿にみなさんも感動したであろう。
シーズン終了後に精密検査をしてみると、軟骨の位置がずれていたらしい。
軽い「剥離骨折」だったのだ・・・!
「肉離れや捻挫などケガのうちに入らん」と金本は涼しい顔で語る。
しかし骨が折れてでも出るとは、もはや信じられないくらいのプロ意識だ。
全てのプロ野球選手の鑑となる存在。
まさに「ミスタープロ野球」と呼ぶにふさわしい。
今シーズン終了後、記録は「750試合」にまで達した。
彼の鋼鉄の肉体と鋼鉄の意志をもってすれば、世界記録の「904試合」達成も夢ではない。
我々が歴史の目撃者となる日は刻一刻と近づいてきている・・・。
・・・というわけで「'04年個人的タイガース10大ニュース」の1位に輝いたのは、やっぱりアニキ。
もうすごいというかなんというか、かける言葉が見つからない。
来年もタイガースのキーマンになる選手であることに間違いない。
それでは'05年のタイガース優勝を祈って・・・
みなさんにとっても素晴らしい1年でありますように!
来年もよろしくお願いいたします。m(__)m
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